もちろん、「多くの子供たちに音楽を好きになってほしい」という思いもあります。しかし今、私が感じていることはもっと違うことです。
・・・それは「この音楽教室に通った子供たちは、どの子もみんなまっすぐ育ってくれる」ということ。

脇道にそれてしまった子は、今までに一人もいないのです。

ちょっと危ないなあとひやひやさせられたことはありますが、なんとかもちこたえてくれました。

つまり、音楽教室に通って脇にそれた子は、教室創設以来“ゼロ”なのです。とても不思議に思いますが、そのことに間違いはありません

音楽を学ぶこともだいじなことですが、子供がまっすぐに育ってくれることほど、親にとってうれしいことはありません。ぜひ、大切なお子さまだからこそ、私たちの音楽教室に通わせてください。

「ありがとうございました。これもヤマハのおかげです」・・・・この春、久しぶりにお会いしたあるお母さまからこう言われました。

お嬢さんが市内でもトップクラスの進学校に無事、合格されたとのことです。このお母さまは小さいころからお子さんをヤマハに通わせてくれました。

中学校に入学と同時に部活を始めるので、教室はおやめになりました。お会いしたのは３年ぶりです。

・・・“ヤマハのおかげです”という言葉の意味はなんでしょう？

もちろん音楽の成績が良くて、難関の高校入試を突破したわけではありません。まさにお嬢さんが必死に勉強された結果だということはまぎれもないことです。
・・・でも、ちょっと考えてみてください。

誰でも勉強すれば難関の高校入試を突破できるのでしょうか？

残酷なようですが答えは“NO”です。

どんなに勉強に時間を費やしても、頭に入らないということがあります。私自身、そういう経験があります。今でもそのころのことを思い出すことがあります。同じ塾に通っていて、隣に座る子は、難問を次々にクリアしていきます。いったい何がどう違うのか？その答はおそらく脳にあります。

専門的なことはわかりませんが、勉強した内容がきちんと頭におさまるという“下地”が脳の中に必要なのです。その下地作りをしているのが『音楽教室』なのです。そのことをこのお母さまは指摘してくださったのです。

それではその“脳の下地”はどのようにつくられていくのでしょうか

私の考えはこうです。音楽教室では一つの曲を演奏するために楽譜を暗譜しなければなりません。その際に培われるのが“集中力”です。

そして何度も何度も繰り返し繰り返し練習し、完璧といえるまで繰り返し練習する“忍耐力”が必要となります。 そして発表会やコンクールでは大きな会場のステージにたった一人で立ち、計り知れないほどの重圧の中で、繰り返し練習してきた曲を何百人、何千人という聴衆を前に弾き切ります。

子供たちは小さい頃からこの“達成感”を身をもって感じています。

はっきりいって大人でも尻込みしたくなるような状況のなかでも、彼らはいかにも自然にその環境に身を置きます。

このような音楽教室で自然に身につく経験・体験・練習などなどが積み重なって、脳にすばらしい下地を作り上げるのだと思います。私はこの子供たちを見ていると・・・・「まだ日本は大丈夫」だと感じることができます。とても幸せな一瞬です。